単独行のこころ7(未来の自分を思う)

とある場所でキャンプをしていた時の事。

僕のテントから少し離れた場所に大きいテントが張ってあり、
白髪交じりのおじさんが陣取っていた。

おじさんは、テントの入口に、座り心地の良さそうなアウトドアチェアを置き
テントの外をじっと眺めている。
その姿はなんだか仏像のようにも見える、微動だにしないその姿はまさに置物のようだった。

僕はなぜこのおじさんはたった一人でキャンプをしているんだろう?と考えた。
単純にひとり旅が好きなのかもしれないな・・・・と勝手に思った。

それと同時に、このおじさんの事を思う時、このおじさんが20年後か30年後か未来の自分の姿に重なって見えた。

もしかしたら未来の自分も独りでキャンプをしているかもしれない。
大きい三角テントをもちこんで、座り心地がいいアウトドアチェアにゆっくりと座って、
何をするわけでもなく、ただテントの前にすわって、昔の事を思い出しているかもしれない。

その時はきっと僕も若い人から、このおじさん、なぜひとりでキャンプしてるんだろう?
と思われるのかもしれないなぁ・・と考えたのだった。

そして、いやいや・・と心の中で首を横にふって
そんな風に思われるのは、余計なお世話じゃないか、と気が付き、
僕は心の中で、おじさんに悪い事をしたな・・と思ったのだった。

視線を移すと、おじさんはそのままの姿で身じろぎもせす、じっと何か考えふけっているようだった。

それから数日、そのテント場に滞在したのだが、その日の行動を終えて自分のテントへ戻ると、おじさんのテントは無くなっていた。

帰られたのだな・・と思った。

もしかしたら、帰ったのではなくて、また別の場所を旅しているのかもしれない・・。

未来の僕はどこへ向かっているのかなぁ・・。。
不安とも言えないし、希望ともいえない、
不思議な心持ちになって、

おじさんの姿を未来の自分に重ねていた。



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