山の怖さが本当にわかった・・とは、どういう事だろうね。

昨年だったかな?

山スキーで遭難した髪型が特徴的だったおじさんがいたけど、彼が「山の怖さが本当にわかった」と言って報道陣の前で泣いていた。それを見て、みんな山を舐めすぎてる!!と言って叩いていた。でも彼が理解した本当の山の怖さを、僕達は本当に知っているんでしょうか?

スキーで遭難して怒られていたオジサンだって、山の怖さはわかっていたはず、
でもそれは頭でわかっていただけで、心の底から理解できていたわけじゃない。

でも彼自身が遭難し、死地をくぐり抜けた事で、山の怖さを心の底から理解できたんだと思う。

だから彼の言う「山の怖さが本当にわかった・・」は、僕達が考えているよりもずっと深いはずだ。ぜんぜん次元が違う。

僕達は本当に山の怖さをわかっているのだろうか?

山は怖いと、頭でわかっているだけ、知識として知っているだけ、
人の話しを聞いて、想像を膨らませているだけじゃないだろうか。

そういうのは知っていると言えるのだろうか?

山に登るのはキツイ、山頂に立てば美しい景色を見る事が出来る。
というのは山に登った事が無い人でも知っている事だ。
なぜ知っているかと言うと本にそう書いてるし、映画やテレビで、写真集で見たことがあるからだ。

しかし、それは頭で知っているだけだ、我々登山愛好家は、自分の足で登り、大変な思いをしながら、山頂に立つ。そしてそこから見える景色が美しい事を心の底から知るのである。それは頭で知っている事とは、まったく次元の違う理解である。

あえて言うならば、そこに山に登る価値がある。心の底から理解する事に重きを置く事に、たぶんこのブログを見ている人の多くは共感してくれるはずだ。

今日、谷口けいさんが死んだ。

彼女がどうやって死んだのかは、よくわからないけど、
本来はあんな場所で死ぬ人じゃない事だけは確かだろう。

では、世界最高峰のクライマーのひとりである彼女は、
本当の山の怖さを知っていたのだろうか・・と僕は考えこんでしまった。

彼女だって、山は怖いと、頭ではわかっていただろう。知識としては知っていただろう。
実際に危ない目にあってひやりとした事は何度もあるだろう。
熱心に勉強をしていただろうから、様々な人の体験談も聞いていただろう。
その長い登山歴の中で、大切な仲間だって失ってきたに違いない。
経験豊富な彼女が、そんな事を知らないハズがない。とは思うし、彼女が亡くなったのはもっと別の要因かもしれない。

頭で理解する事と、心の底から理解する事ではすごい開きがある(と松下幸之助さんが言っていた)

僕はこの言葉にとてつもない共感を覚える。

だから、改めて、山スキーで遭難したおじさんが言った「山の怖さ」を、
僕は心の底から理解できているんだろうか・・と考えた。

きっと、理解できてないんだろう。

理解できてないと考えた方が、発展的な気がする。

そんな事を考えていた1日だったのだ(´・ω・`)



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