水根沢林道、恐怖の連続トラバース!(1)

GWのスペシャルな山行の計画を考えていました。
最初はハンギョウ尾根を登って長澤背稜に入って雲取山に行こうか、なんて考えていましたが、小川谷林道が未だに通行止めと言う事で、今回は見送り、石尾根の地図を眺めて歩いた事が無いルートを探していました。

そこで僕の目にとまったのが、『水根沢林道コース』登山詳細図を見ても難易度表記が無い通常ルート。

これなら特別な下調べも必要なさそうだし、沢の近くをずっと登って行くなんて、気持ち良さそうじゃないか?と、呑気に考えておったわけです。

朝4時に起きて、途中電車に乗り間違えたりしながら、奥多摩駅へ、そこからバスで奥多摩湖の近くにある『水根バス停』で降車しました。

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水根バス停

周辺の山の様子に目を凝らしますと、まるで壁の様に迫ってくる急峻な斜面に緑が輝いてて、そんな所に奥多摩らしさを感じながら、歩きはじめました。

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水根沢キャンプ場方面へ進む。

途中は道標が完備されており、道標どおりに歩いて行きます。
少しの間、アスファルトの道を歩いて行きます。

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道中の様子。右手に熊?のような何かが見えた。

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熊かと思ったら、タヌキだった。

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こちらは私が敬愛する二宮尊徳さん。

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道中の様子。

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道標は完璧です。

アスファルトの道路も終わりますと『狂器』と書いてある建物がありました。

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狂った器?

珍しい、陶器の無人販売所です。

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こちらは300〜400円。

値段も無理が無い範囲で、安いものは300円〜400円ぐらいで、
手にとってみましたら、思いの外しっかりとしている、まさにプロが作ったもので、ちょっと欲しいなーと思いましたが、これから登山なので買いませんでしたが。

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こちらは1000円ぐらい。

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不思議な物体(笑)

器や皿だけじゃなくて、いろいろユニークなオブジェっぽいものもありました。
不気味というか、なんだか原始的な感覚で作られているような・・・アミニズムを感じさせる、そういうものです。

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この『狂器』のすぐそこに登り坂があり、ここから山へ入りました。

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ぼけ〜っと歩いてると、大きいヘビがいてびっくりしました。

いきなりの急坂ですが、畑?の一番上まで登ると径もなだらかになりまして、そこから山の中へと入って行きます。

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これから先の道に期待が膨らむ瞬間でした。

遠くに聞こえていた沢音も近くなってくると、左側が切れ落ちたトラバース道が伸びています。

しかし道幅にも余裕があり、また周辺の緑も美しく、雰囲気がとても良いです。

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トラバース道。

崖下を見てみると、落ち葉が堆積しており、滑落すると大怪我するか死ぬかの2択しか無さそうです(笑)

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なかなかやばい崖だわ〜。

最初は余裕で歩いていたのですが、すぐにロープが出てきました。

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いきなりロープかよっ!!

道は細く、左側は落ちると止まらなそうで、やばいですね。

でも、ロープがあるから楽勝じゃないですか?

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ロープを掴んで、楽勝。顔も笑っています(笑)

ここまでは、まぁ、良かった。

ロープを掴んで進んで行ったのですが・・

いきなりロープがなくなります。

でも、細い道は相変わらず続いてるじゃないですか・・・

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おいおい・・殺す気かよ・・・。。

いきなり緊張を強いられるトラバース。

一歩一歩、確実な足取りで進みました。

ワンミスで死ねますね。

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平常心で歩ききった所。

まじで恐ろしい所だった・・
胸をなでおろす僕です。
こんな難所があるなんて聞いてないよ??

でも、こんな道はこれからの恐怖のトラバース道の序章でしか無かったのです。

ここからも、ずっとこんな道が連続して続くんです。
どこまでも・・・どこまでも・・ずっとです。

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怖〜(汗)と思いながら、進み、ちょっと安全そうな所で振り返って道を撮影した所。切り取られた木の幹が邪魔だし、足元もガレててワンミスが起こりそう(笑)

おいおいおいおいおい・・・

これ、一般ルートじゃないよな????

怖すぎて乾いた笑いが出てきました。

最初は笑っていた笑顔もひきつっていました(笑)

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細い小径、緩やかにカーブしつつ、なおかつアップダウン。

やめようよ、こういうの!!!

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このカーブの先にどんな恐怖が待っているの?

不安でしかたないです。

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ふ〜〜〜やれやれ・・ここはちょっと一息つけるかな。

ところどころで、道幅が広い場所が出てきまして、ほっとするんですが、
そんな所でも左側は崖なので、気がゆるんだ所でさり気なく殺しにくる奥多摩です、緊張感を保ったまま進んで行かなければいけません。

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細い、狭い、落ち葉、アップダウン。

アップはいいんだけど、ダウンが怖いよ。

落ち葉のダウンは滑るんじゃないかと、ドキドキです。

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安全圏、涸れ沢を渡ります。

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水根沢林道、ハシリドコロ(だと思う)が至る所に。

ハシリドコロは猛毒で有名です。

花を触った手で目を擦ると、瞳孔が開きっぱなしになって、目がチカチカするらしいです。そんな植物を食べたらどんな事になるか、考えるだけで恐ろしいですよね。
食べると具合が悪くなったり、幻覚が見えたり、あまりの苦しさに走り回る事になる事からハシリドコロという名がつけられているそうです。

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ヒトリシズカ

ユーモラスだけど、清楚で美しい花ですね。

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スミレ。

スミレは種類が多すぎて、わけがわかってません。

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崖下を覗き込む。怖くて身が縮みます。

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木道。大丈夫かこれ・・と不安になる。

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木道なんだけど、土砂・石が堆積中。

かなり端折ってますが、こういう怖い道が3km近く続くと思ってください。

登山詳細図でもグレーディング表示がされてないのですが、
僕的にはかなりやばいルートだったです。

・高所恐怖症
・おっちょこちょいな人
・極端な運動音痴
・平行感覚に難がある人

こういう人はこのルートはやめておいた方がいいです。
また、小さな子供なども連れてくるべきではありません。
いろんな山歩きを経験された方がいろんな事を理解した上で歩くべきコースだと思いました。

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道と沢の距離は近くなってきて、高度感も無くなってくる。

3kmぐらいの怖いトラバース道を歩いてやっと一息つけそうな場所へ到達しました。

橋も見えてきて、近くの沢で釣り人が渓流釣りを楽しんでいます。

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雰囲気が良い場所です。

この先でも水場はありましたけど、道から降りて沢で水を得る事ができる数少ないポイントです。ただし釣り人の往来も多そうなので、水はかならず煮沸して飲んだ方がいいと思います。

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沢の様子。

橋を渡り、対岸へと渡り、伸びている経も明瞭で太くなってきます。

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振り返って沢を撮影。

釣り人もいて、沢も緑も美しい。

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ここからも気は抜けないぞ。

道は太くはなったものの、今度は右側が崖で、高さだけで言えばさらに高いので、軽はずみな行動は出来ない。

しかし、それでも周辺を観察する精神的な余裕が出てきました。
ふと頭上を見上げると、産まれたばかりの緑が美しかったです。

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新緑っていいよね。

谷沿いのトラバース道が終われば、ここからは地味な杉の森を辿って歩いてゆきます。

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まさかここで杉林になるとは・・。。

熊鈴を出しました。

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僕の熊鈴です。

高い音色と、すこし低い音色のカウベルを組み合わせています。

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途中みかけた倒木地帯。

ここは巻きまして・・(赤テープなどがあるので慎重に見て進みます)

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こんな屋根付きの小屋もありました。

この小屋の所で、道標があるんですが、道標の後ろの方を見ると道が続いています。
向かい側の斜面を良くみると石垣があり、径が伸びていました。
巡視路でしょうか・・登山詳細図にも記載が無いルートのようです。

ためしに行ってみようか・・という気にはなれなかったです。

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左岸に石垣があり、道がある。

黙々と登ってゆきます。
途中は降りてくる人と何度かすれ違いました。

あの怖い道をトラバースする事になるんだけど、みんなわかって歩いてるのかなー?って心配になりました。

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道ははっきりとしているけど、ちょっとわかりにくい所もあった。

足元を見つめて、黙々と刻みながら登って行き、道標が見えてきました。
榧ノ木尾根の上では無いのですが、ここまで歩けば『水根沢林道』を歩ききったと言って十分でしょう。

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よーし!!!!

ついたぞ〜〜!!!

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いや〜やりました〜〜。

※水根(バス停)5.7km 通行注意 って書いてるけど、
もうちょっとビビらせた方がいいと思った。

とりあえず、無事に歩けてよかったです。

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ガッツポーズ。

僕もそれなりに経験を積んできたのでしょうか。
もしかしたら自分の事を少しは客観的に見れるようになってきたのかもしれないです。
そうなると、今まではぜんぜん怖くなかったような道も、とても危なくて恐ろしい場所に見えてくるんです。

こんな事を言うと意外に思われるかもしれませんが、
最近奥多摩の山が怖くてしかたないです(笑)

本当に恐ろしいと・・心の底から感じているんです。

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本日の装備。

さて、これから先ですが、僕は鷹の巣山へ登り、食事をして・・
と旅が続くのですが、実に取るに足らない展開になりまして。
ブログを書く事もバカバカしい?かもしれないのですが、
とりあえず次回に続けたいと思います。



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