当たり前の事なんて何一つ無かった。

若い人にはまったく理解できにくいが、

自分がだんだん歳をとってくると、
僕というより周りの人たちが、亡くなったり、病気になったりする人が増えてくる。

そうやって病床にふせている人をみると、
食事も排泄も、歩くことも、いろんな事ができない人を見ていると、
その人の境遇を自分に重ねてみたときに、
今まであたりまえだと思っていたことが、
ちっとも当たり前じゃなかったことに気がつくね。

綺麗な水を飲むことも、当たり前じゃないし、
こうやって息をしていることも、本当にすごい事だよ。
元気に山を登るなんて事は夢のような事で、手足が満足なことも当たり前じゃない、
この世の中に当たり前の事なんて、ひとつもなかったんだ。って事に気がついたよ。

山に毎週登っていたときの事を思い出している。
あのころは僕も今よりはずっと若かった、
生き生きとした僕の肉体が、そして心臓は力強く波打ち、
僕はいっぱい汗をかきながら、元気な体を思う存分楽しんでいたのだなと、
それだけでもとても贅沢なことだったんだな。

こんな事をいうと、僕は今不健康でいまにも死にそうで
実は病床にふせているのかというとそうではない。
僕は妄想癖が激しいので、一瞬で赤ちゃんにも、老人にもなれるのだ(変態だ!)

きっと僕も、もうすぐ死ぬな・・って思ったときに、
自分で歩けなくなって、なにひとつ自分ではできなくなったとき、
山の中の事思いだすかもしれないな・・。

当たり前じゃなかった頃の僕を思い出しながら、
その時の僕は何を思うのだろうか・・

そんな事を、なにもできなくなった人を見て、悲しく思ったのだった。



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